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肥料への支援対策を試算

政府による肥料のコスト増加分の7割を補填する制度を試算してみました。条件としては化学肥料の使用量を2割減らすとなっています。

例、令和4年産コシヒカリ元肥一発肥料(N成分20% 15kg×2袋施用=トータルN成分6kg/反)(3,500円×2袋=7,000円/反)

令和5年産同じ肥料が1,000円高騰とする(N成分20% 15kg×1.5袋施用+有機100%肥料、有機N成分1.4kg施用=トータルN5.9kg/反と仮定)

(4,500円×1.5袋=6,750円+N7%有機100%肥料20kg 3,570円=10,320円/反  ※補填額 (10320-7000)×70%=2,324円

補填対策を利用しない場合は4,500円×2袋=9,000円です。  制度利用の場合10320円-補填額2324円≒7,996円/反です。

上記の試算結果、令和5年産では肥料高騰により支援対策を活用しない場合2,000円/反のコストアップとなりますが、有機100%肥料を20kg使用した場合、補填額2324円を引いて996円/反のコストアップに抑えられ、肥料代金は(2000円-996円≒1000円)安くなります。デメリットとしては施肥回数1回・施肥量30kg/反 → 施肥回数2回・施肥量42.5kg/反 となり、散布回数と散布量の負担は増します。鶏ふん等の低価格有機肥料では補填額も少なくなり、散布量も40~50kg/反と大きな負担増となります。

肥料の変更は肥効も違い、特に初期生育の停滞と稲作後半の肥効低下を招きます。

補填を受ける為の申請手続きや、支援対策に便乗したコメ価格の抑え込み懸念などを考えると色々考えさせられます。化学肥料低減の趣旨は理解できますが、輸送コストの補填等の方法で実質肥料代金を補填する方法が良いのではと考えます。平成22年に行われた肥料燃油高騰対策に関わった際、膨大な書類作成、夜の11時30分頃でも行政からFAXが届いたなど大変な思いを経験しています。シンプルで効果的な制度設計を希望します。